Matching
マッチング事例
初めてのアスリート採用。初めての就職。
新たな挑戦で、Win-Winの関係を目指す。
エヌケーエス株式会社 × アイスホッケー 佐々木祐希 選手
建材の販売や施工を営む「エヌケーエス株式会社」。
2025年8月、同社初のアスリート社員として、
アイスホッケーのプロチーム「名古屋オルクス」の佐々木祐希選手が入社しました。
採用・入社の経緯や、競技活動と仕事の両立で工夫した点、アスリート社員がもたらす影響力などについて、
鈴井良典代表取締役と佐々木選手にお話を伺いました。
紹介を通じて出会い、互いの求めるビジョンが一致
アスリート社員の支援を始めた/ 就職したきっかけを教えてください
鈴井良典 代表取締役
弊社でアスリート社員を採用するのは、佐々木さんが初めてです。弊社も昨今の例に漏れず人材確保に苦戦しており、求人を出して面接をしても、条件面だけの話になってしまうことが多く、採用してもすぐに辞められてしまうケースがありました。そのような中で、「名古屋オルクス」を長年支援されている企業様からのご紹介がきっかけで、佐々木さんと出会いました。
佐々木祐希 選手
以前所属していたチームからFA(フリーエージェント)権を行使して、2025年8月に「名古屋オルクス」に移籍しました。名古屋オルクスは、企業に勤めながら競技活動を行うプロチーム。就職先を検討する中で、現在の会社に出会い、営業部門に配属されました。競技に打ち込む生活を長く続けてきましたが、就職したのは今回が初めてです。
お互い、どんなところに魅力を感じましたか?
鈴井良典 代表取締役
競技者としての経歴はもちろん素晴らしいのですが、実際にお会いしてみると、とてもアグレッシブでやる気に満ちた方。ぜひ我が社に来ていただきたいとオファーしました。
佐々木さんは、仕事の面でも目標設定が明確で、「(会社を)こうしていきたい」という話ができる。そういったマインドは、プロとして活躍されているスポーツ選手ならではと感じました。
佐々木祐希 選手
ありがたいことに多くの企業様からオファーをいただきましたが、名古屋に根付き100年近く歴史のある会社という点や、自分にとって未知の建築という世界、何より直接お会いした時の会長・社長の人柄に惹かれ、「ここで頑張りたい」という気持ちが芽生えました。
佐々木選手が、競技を続けながら就職する道を選んだ理由を教えてください
佐々木祐希 選手
現在33歳ですが、30歳を過ぎると周りから必ず言われるのが、「引退後の将来どうするの?」ということ。将来を考えたとき、監督・コーチという道も考えられましたが、アイスホッケーとは全く別の道に進みたいという気持ちがありました。営業の仕事をしてみたいという思いもあったので、現在の会社と出会えたことは自分の中ですごくよいタイミングでした。
フレックス勤務や連絡アプリを活用し、競技と仕事の両立を後押し
練習時間や勤務体制について教えてください
鈴井良典 代表取締役
佐々木さんのチームでは朝に練習があるため、弊社の始業時刻である8:00の出社が難しくなります。入社いただくに当たって、新たにフレックスタイム制を導入し、練習を終えてから勤務できるように体制を整えました。
佐々木祐希 選手
一週間のスケジュールとしては、月曜は練習が休みのため、他の社員と同じように勤務しています。火曜と金曜は、早朝に名古屋市港区のアイスリンクで練習し、陸上トレーニングや監督とのミーティング。その後、一時帰宅して食事・身支度をし、10:30前後に出社しています。退勤は他の社員と同じ17:15が定時で、退勤後に自主トレーニングを毎日1時間。週末の土曜日に試合、というサイクルになっています。
トレーニングの時間は無駄に長くせず、テーマに沿って質を高くして集中して行うことを心掛けています。
入社後に直面した課題や、改善した点はありますか?
鈴井良典 代表取締役
弊社では毎朝朝礼があり、朝礼後に営業部門の社員が打合せをしていました。佐々木さんの入社に伴い、それに代わる手段が必要ということで、連絡アプリを導入したのが大きな変化です。
佐々木祐希 選手
毎月、チームの練習スケジュールが出ると、会社の連絡アプリで共有します。練習時間が変則的なので、「この日は始業時刻からいるな」「朝は練習だから〇〇頃に出社だ」といった具合に、アプリを通じて自分の勤務予定を把握してもらっています。
アスリート社員の存在が、周囲に良い刺激を与える
働く上で、競技経験が生きた場面はありますか?
鈴井良典 代表取締役
まだ入社2か月ほどではありますが、既に持ち前の突破力を見せてもらっています。新規の企業さんに対して、自分でリサーチして「こういう企画商品はどうですか」と提案してくれ、その縁で実際に仕事につながりました。弊社は既存顧客が割としっかりいるため、新規で契約を取りに行くということがあまりなかったのですが、周りの社員へのよい刺激になっています。
佐々木祐希 選手
アイスホッケーも仕事も、大いに通じるところがあります。ゴールを決めて試合で勝つためには、チームが気持ちを通じ合わせてパスをつなげなくてはならない。仕事もそれと同じで、「こんなにいい商品があります、買ってください」という一方的なやり方ではダメ。やはり最後は「人対人」の信頼関係が大切だと感じています。
アスリート社員に対して、社内外の反応は?
鈴井良典 代表取締役
佐々木さんの採用をきっかけに、アイスホッケーの話題で盛り上がるなど、社員同士のコミュニケーションも活性化しています。10月からシーズンが始まりましたが、初回の試合は皆で応援・観戦しようと、社員のチケット代を一部会社で支援しました。
佐々木祐希 選手
社員の皆さんはもちろん、取引先の方や建設現場の職人さんも「応援しているよ」「すごいね」などと声をかけていただき、応援されているのを感じます。今はまだ先輩方について勉強している段階ですが、アイスホッケーの話をきっかけに、仕事の深い話に発展することもあります。
より良い関係性を目指して、対話を続ける
今後の目標や展望を教えてください
鈴井良典 代表取締役
10月からシーズンが始まって、そこで見えてくる課題もあると思いますし、顧客を抱えるようになると、また新たな課題がでてくるかと思いますが、佐々木さんと話し合いながら、一人前の営業として成長していけるように後押ししていきたいです。
また、「名古屋オルクス」には、チームを支援されている企業さんがたくさんいらっしゃいます。そこから、地場の企業同士がつながり、名古屋をもっと盛り上げていこうという動きが生まれています。弊社もその一員として、輪を広げていければと考えています。
佐々木祐希 選手
競技の目標は、チームをリーグ優勝に導くこと。仕事では、一日一日少しでもステップアップして、「佐々木君は仕事もすごいね」と言われるくらい、会社の期待に応えられる存在になるのが目標です。
採用を検討する企業/就職を希望するアスリートへ、メッセージをお願いします
鈴井良典 代表取締役
アスリート社員を採用して、会社として広がりが出たのは間違いないところだと思います。広い視野を持って入ってくれたことで、会社側にも新しい視点が生まれました。そういった意味で、とてもよかったと思います。
佐々木祐希 選手
競技と仕事の両立は決してラクなことではありませんが、「疲れた」といって怠けてしまうようではダメ。少し厳しいかもしれませんが「どちらも一生懸命、真摯に向き合わないと、つまらないよ!」と伝えたいです。
佐々木選手の一日のタイムスケジュール(一例)
-
4:00
- 名古屋市港区のリンクでチーム練習
-
6:00
- 陸上トレーニング、監督とのミーティング
-
8:30
- 一時帰宅(朝食、出社準備)
-
10:30
- 始業(フレックスタイム制)、連絡アプリの確認
-
12:00
- 昼休憩(~13:15)
-
13:15
- 顧客への営業同行、納品等
-
17:15
- 終業 自主トレーニング(1時間)後、帰宅
PROFILE
佐々木 祐希 選手
(ささき ゆうき)1992年5月21日生まれ。宮城県出身。ポジションはDF。法政大学卒業後、プロアイスホッケー選手として、フィンランドやカナダ、アメリカのチームで活躍し、帰国。2022-2023シーズンより3年連続で全日本選手権優勝、個人では3年連続ベストDF選出。現在は、エヌケーエス株式会社で営業の仕事をしながら、愛知県名古屋市に本拠地を置くプロアイスホッケーチーム「名古屋オルクス」に所属。